矯正治療でEラインを美しくできる？

Eラインとは？

Eラインとは,人の横顔において鼻の先端と下あごにかけて結んだラインを指します。別の名をエステテックラインと呼んでいます。Eラインは歯並びを治す矯正治療の診断にとって重要な美しさの基準です。簡単に言うと唇からEラインがはみ出していなければ美しい横顔とされています。Eラインを提唱したのは、欧米の歯科医師ロバート・リケッツ氏です。

欧米では最も理想的な横顔はEラインよりも上唇が4㎜程度、下唇が2㎜程度内側にある状態だと言われています。

あくまで欧米人の理想的な横顔のため、日本人の骨格には適さない部分もありますが、一般的にはこのバランスを保つことで美しい横顔になると考えられています。

Eラインが崩れやすい歯並びの種類

出っ歯(上顎前突)

上あごや上の歯よりも下の歯列が前に出ている状態にあることです。家族からの遺伝や早期の乳歯喪失、指しゃぶりなどが影響することがあります。

受け口(下顎前突)

下あごや上の歯列よりも下の歯列が前に出ている状態あることです。家族からの遺伝や顎の成長バランスの問題が原因で起こります。

口ごぼ

唇を閉じた状態で横から見ると、口元がもっこり前へ突き出ている状態の事です。
先天的要因と後天的要因があります。先天的要因は遺伝によるものが多く、骨格が小さい、顎が小さい、歯の大きさが大きいなどです。後天的要因はおしゃぶりや指しゃぶりを長期間していた、口呼吸である、唇を噛む癖がある、食べ物をよく噛まない、柔らかい物ばかり食べる　などです。

顎が左右非対称

顎の成長が左右非対称なため、顔全体のバランスが崩れている状態です。

矯正による治療方法

症状が軽度である場合、歯の傾きや並びを調整することで改善できることもあります。
親知らずを抜歯して奥歯を後ろに下げたり必要な分だけ僅かに歯と歯の間にヤスリをかけて隙間を作る”IPR（スライス）”を行ったりします。

横から見たときに口元が出ているのが気になる為、口元を後ろに下げたいという場合は患者様の歯並びによって異なりますが、「抜歯を伴う矯正治療」が必要になるケースがあります。出っ歯や受け口などの不正咬合では、顎のスペースや歯の大きさに問題が生じることが一般的です。これが原因で歯がうまく並ばず、歯列が乱れてしまいます。抜歯を行うことで、歯がきれいに並ぶスペースを確保し、正常な位置に調整することで綺麗なEラインを作り出すことが可能です。

このような場合、健康な歯を抜歯することには抵抗感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、症状によっては抜歯を伴う矯正治療が有効な場合があります。　

矯正治療の流れと期間

矯正治療期間

歯を動かす期間は、症状によって個人差がありますが約２〜3年程度です。
ただし、治療方法や歯並びの状態、年齢によっても歯が動くスピードが異なり治療期間が変わることがあります。矯正治療は期間の他にも種類によって特徴が異なるため、ご要望や症状に応じて決めていきます。

保定期間

矯正治療後の保定期間は、歯並びの後戻りを防ぐためにとても重要な期間です。保定装置を付ける期間は、個人によって異なりますが、通常は矯正治療と同様の2〜3年程度です。矯正治療後は特に半年〜１年は不安定で歯が動きやすいため、保定装置を使うことで安定させます。

よくある質問

①口元を引っ込めたいのですが、抜歯が必要ですか？

歯を移動させるためにはある程度、顎にスペースがなければなりません。
口元を引っ込めたい場合は抜歯が必要になります。一般的には小臼歯を抜歯しま
す。口元がでている方は歯を抜かずに矯正治療を行うとさらに口元がでてきてしま
うことがあります

②料金はどのくらいかかりますか？

当院の場合のEライン改善を考慮する矯正治療の参考料金をご紹介します。

全体の矯正（マルチブラケット装置）
Bコース(一般的な小臼歯抜歯)　924,000円　
Cコース（治療難易度の高い症例。期間が長くかかる、装置の種類が多くなる、成
人矯正で歯周病や補綴治療にも配慮が必要な症例）1,012,000円
料金には片顎1個ずつの保定装置代、処置料も含む(動的治療中と保定開始1年まで)

③口ゴボは矯正で治せますか？

口ゴボを治すためには、一般的に小臼歯抜歯を伴う矯正治療で改善する可能性が
ありますが、歯よりも顎の状態が主な原因の場合には外科治療を併用する矯正治
療が理想的な場合もあります。