医療費控除

給与所得者向けの情報のため、複数の所得がある方は税の専門家にご相談ください。

詳しくは、税務署にご確認ください。また、数字はあくまでも目安です。

参照:国税庁 医療費控ページ

医療費控除とは、自己や自己と生計を一にする家族のために、その年の1月1日から12月31日10万円以上の医療費を支払った場合、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です

医療費控除医療費控除を申告する場合は、領収書が必要となります。領収書は必ず保管しておいてください。 もし無くしてしまった場合は、受付までお声かけください。 同じ領収書を再度発行することはできませんが、医院で保管している領収書の控えをコピーしてお渡し致します。

税金について

医療費控除について考える前に、税金についてご説明していきます。

自営業の方は、確定申告をするので税金のことを意識されるかと思いますが、サラリーマン(給与所得者)は会社で税金の計算をしてくれるのであまり意識することがないのではと思います。

税金には色々種類があります。

  • 酒税
  • ガソリン税
  • 消費税
  • 事業税
  • 法人税
  • 固定資産税
  • 不動産取得税
  • 相続税

などなど…おそらく20種類くらいあるのではないでしょうか。

医療費控除には所得税と住民税が関係します。ではこれらの税金の計算方法を考えてみましょう。

所得税の計算式

会社からの給与の額面(手取りではありません)をもとに、年間の額面を計算します。これには賞与も含みます。

 

【例】月給45万、賞与60万(年二回)

①45万×12ヶ月=540万。賞与60万×2回=120万。計660万

②給与所得控除約186万参考+基礎控除38万+社会保険関連控除約75万(年金や健康保険)+その他控除約11万配偶者控除や生命保険料控除等。ここに医療費控除が入ります)=約310万

①660万から②各種控除約310万を引いた金額=350万が課税所得になります。課税所得350万だと所得税率は20%です。

日本は累進課税方式なので、単純に350万の20%の70万が所得税なのではありません。実際は350万の所得ですと税金は272,500円となります。195万以下は5%、195万~330万の部分は10%で、330万円を超えた部分の税率は20%です。

*医療費控除は、1月1日から12月31日までに支払った医療費1年分が対象になります。

医療費控除を考える上でのポイント

ポイントは、自分がどこの税率にいるかを知る事になります。所得税の税率表

 

課税される所得金額

税率

195万円以下

5%

195万円を超え330万円以下

10%

330万円を超え695万円以下

20%

695万円を超え900万円以下

23%

900万円を超え1,800万円以下

33%

1,800万円を超え4,000万円以下

40%

4,000万円超

45%

出典:国税庁「所得税の税率」より

医療費控除を受ける場合の注意事項

  • 治療中に年が変わるときは、それぞれの年に支払った医療費の額が各年分の医療費控除対象となります。

  • 健康保険組合などから補てんされる金額がある場合は、その補てんの対象とされる医療費から差し引く必要があります

歯列矯正と医療費控除

歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて、社会通念上その矯正が必要と認められる場合の費用は医療費控除の対象になります。
*同じ歯列矯正でも、容ぼうを美化したりするためにしたものは、医療費控除の対象になりません。

  • 治療のために交通機関を利用したときの通院費も医療費控除の対象になります。お子さんが小さいため保護者が付添わなければ通院できないようなときは、保護者の交通費も含まれます。通院日をカレンダーや手帳にメモしておきましょう。

  • 歯ブラシやフッ素代などは対象になりません。

還付金について

還付金は
① 1年間で支払った医療費 から、
② 医療保険などの保険金 と、
③ 10万円 を差し引いた金額が医療費控除の対象となります。

この金額から、申告者が支払っている
④ 所得税の税率 をかけた金額が還付されます。

医療費控除の計算式

① 1年間で支払った医療費 - ② 医療保険などの保険金 - ③ 10万円 = 医療費控除額

 *総所得金額が200万円未満は、総所得金額の5%     

還付金目安の計算式

医療費控除額 × ④ 所得税率 = 還付金の目安

④ 所得税率 は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から45%の7段階に区分されています。
(平成19年分から平成26年分は5%から40%の6段階)
課税される所得金額(千円未満の端数を切り捨て後の金額)に対する税率は、ページ上部の表をご参考ください。

還付金目安の計算例

患者Aさんの所得金額は400万円です。
Aさんは矯正歯科治療に年間50万円かかりました。
Aさんの医療費控除額と還付金の目安は、先程の計算式に当てはめると以下のようになります。

【医療費控除】
① 1年間で支払った医療費50万 ② 医療保険などの保険金0円 10万円 医療費控除額40万

【還付金の目安】
医療費控除額40万 × ④ 所得税率0.2 還付金の目安8万

  • 一般的に、サラリーマンで年収650~700万円ぐらいの方が、所得400万円ほどになります。
  • 家族構成や保険などによっても変わります。
  • こちらの数値はあくまで目安です。詳しくは税理士さんや申告先の税務署にご確認ください。

矯正治療費用を支払うタイミング

矯正治療費を支払うタイミングで、ポイントは下記3つです。(矯正歯科医院によって治療費の支払いは規定があるので、必ずしも個人の都合とおりに支払えない事が多い事をご承知ください)

  1. 年間の医療費が多い年になるべく集める
  2. 生計を一にする家族の中で所得の多い方で申告する
  3. 所得税率が高い年に申告する

1.年間の医療費が多い年になるべく集める

かかった医療費から、年間に必ず10万は差し引かれます。
※所得が200万未満の場合は、10万より少なくなります。

【例】矯正治療費が80万の場合(復興所得税は考慮していません)
①80万を1年で支払い
80万-10万(10万以上の部分が適応になります)=70万
所得税率10%→7万。住民税率10%→7万。計14万の還付。
所得税率33%→231,000円。住民税率10%→7万。計301,000円還付。

②40万づつ2年で支払い
40万-10万(10万以上の部分が適応になります)=30万
所得税率10%→3万。住民税率10%→3万。計6万×2年=計12万還付。
所得税率33%→99,000円。住民税率10%→3万。計129,000円×2年=計258,000円還付。

①の方が金額は下記のように増えています。

・所得税率10%は2万円
・所得税率33%は43,000円

ただし住民税は申告してすぐ還付されるわけではなく、住民税の支払い時期に住民税が減税されることになります。(所得税率が2年とも変わらない前提です)

退職・転職や起業予定の方は、自分の税率が高いときに申告するのが得策です。自分の税率を意識しましょう。

特に大きく税率が変わる、23%から33%にあがる時(所得で900万)は注意が必要です。医療費控除前の所得で900万であっても、医療費控除を50万申告することで所得が850万とかになります。所得が980万位になれば医療費控除の申請による還付の税率は33%になると思います。

*次は33%から40%(所得で1800万)ですが、税率40%の方はそもそも税理士の先生に医療費控除だけでなく全般的に相談されたほうがよいでしょう。

2.生計を一にする家族の中で所得の多い方で申告する

生計を一にする家族であれば、医療費控除を申請するのは誰でもよいことになっています。

例えば同居の祖父の所得がとても高く、父親より税率が高い場合、祖父で申告した方が還付は大きくなります。還付された税金の使い道はしっかり家族会議してください。(生計を一にする家族の基準はしっかり確認してください)

例外的に所得が低い方が申告した方が還付が多い場合があります。ただし小額です。

3.所得税率が多い年に申告する

あらかじめ自分の所得が変化すると分かっている方は、それを念頭に置いておくことが重要になります。

例えば、起業を予定している方はおそらく起業1年目は収入が大きく減ることが一般的なので、所得が確定している起業する前の年に申告するほうがよいでしょう。

一方転職を予定しており 転職後の給与が大きくアップする場合は転職後の年に申告する方が良いと思います。

*退職金がある場合、税理士さんに相談することをお勧めします。

申請先・申請時期

申請先は、住んでいる地域の税務署または申告している税務署となります。
※詳しくは各管轄税務署にお問い合わせ下さい。

確定申告の時期は翌年の2/16〜3/15の1か月間となっています。この期間内に申告してください。また、その年の申告期間を過ぎてしまっても、医療費還付申告の場合は5年前までさかのぼって申告できます。

顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前後の矯正歯科治療 および厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常の矯正治療は、施設基準を満たしたクリニックでは健康保険が適用されます。(当院は施設基準を満たしております)