こんにちは。

今回の豆知識では、矯正治療終了後の後戻りについてのお話です。

後戻りについて

後戻りとは、矯正治療で歯を動かした後に元の位置に歯が戻ろうとすることにより、歯が動く事です。

このことについては矯正治療で歯を動かした後、2年間くらい保定装置を使用していればおよそ防げます。個人的な感覚ですが、半年くらいは使用していますがその後は使用していない方を多く見受けます。

環境の影響による後戻り

これとは別に、環境の影響により歯が動く事があります。

  • 歯周病
  • 虫歯
  • 舌の癖
  • 口唇圧
  • 楽器

これらも歯が動く大きな要因です。

例えば虫歯で歯に穴が開いているのを放置すると、隣の歯が動いてきます。連鎖的に歯並びが変化し、でこぼこが生じます。

歯周病の予防については歯科医院で定期的なメインテナンスをしていく必要があります。歯周病にも程度があるので、軽度なうちに対応していけば大きく歯が動く事は少ないです。
歯周病での歯の動きの特徴は前歯が唇側に傾斜していく事です。また隙間が開いている方も見受けられます。

舌の癖がある方は、舌で歯を前に押し出す力を経年的にかけているため歯が前方に傾斜いてしまします。口唇圧が強い方は、歯を舌側に押す力を経年的にかけるため、歯が内側に倒れこみんでこぼこを生じてしまいます。

楽器については、一日一時間程度であれば影響はあまりないと思います。8時間以上練習する方は歯並びに影響すると考えます。

後戻りに対する考え

ここからは個人的な意見です。

経験上、成長終了後の反対咬合 抜歯をした上顎前突の治療の方は明らかな後戻りは少なく感じます。それ以外の歯並びの方は、多少なりとも後戻りは生じると思います。

後戻りを防ぐには、長期期間保定装置の使用をお勧めします。週に1~2回夜間就寝時の使用をしていれば大きな後戻りは防げます。

歯周病や大きな虫歯にならなければ15年くらいは同じ状態を保てるのではないでしょうか?

ただし、歯軋りや噛みしめが強い方や舌の癖がある方は同じ状態を保つのが難しいように思います。

矯正の経験の有無問わず、経年的には歯が動くことはご承知ください。

後戻りと親知らずの関係について

後戻りと親知らずの関係はいまだ明確になっていません。矯正治療の経験のない初診相談でお見えになる患者さんからは、親知らずの萌出とともに前歯がずれてきたとお話がよくあります。

「親知らずを抜けばもとに戻りますか?」という質問もあります。経験的には歯並びが治る方向に動くことは少ないです。

一個人の矯正歯科医の立場からは、ちゃんと萌出してくる見込みのない親知らずに関しては、抜歯したほうが歯並びの安定につながるのと考えています。特に下顎の親知らずは、萌出方向により注意が必要と思います。

親知らずの抜歯については外科処置になりますので、リスクの説明を受けて納得してからがよいと思います。